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新しい農業とは?【AGRISTの事例を基に解説】

2023年07月24日 コラム

新しい農業とは?【AGRISTの事例を基に解説】

新しい農業(New Agriculture)は従来の農業手法に比べて、より効率的で持続可能な農業のことを指します。

技術の進歩や環境への意識の高まり、市場の変化などによって、従来の営農から新しい農業へのシフトが加速しています。

また、3Kといわれる(きつい・汚い・危険)イメージを払拭し、デジタル技術や機械を駆使した儲かる農業へのシフトも行われています。

今回はAGRISTが実際に取り組んでいることや、農業の革新的な技術についてご紹介します。

新しい農業とは

アイキャッチ画像

新しい農業とはテクノロジーの力を使ったスマート農業が主流ですが、その他にも革新的な取り組みがなされています。

都市型農業

都市化が進む先進国では、都市近郊で営農する都市型農業が注目されています。ビルの屋上や未利用地などの限られたスペースを利用して農業を行い、消費者に新鮮で安心な農作物を届けられるメリットがあります。

また、垂直農法と呼ばれる営農が盛んで、工場やビルなどの縦に伸びた垂直な空間を活用して効率的な営農が注目されています。

葉物野菜などを積層(垂直栽培)し栽培しているため、少ない面積でも大量の野菜が栽培でき、LEDなどの人口光を使い、徹底した自動化・省力化のもと均一性の高い農業が行われています。

また、病気や害虫のリスクが少なく衛生状態の良い環境で育てられるため価格も安定しており、都市部で栽培することにより、輸送コストを抑えられ儲かりやすい構造で営農がなされています。

6次産業化

6次産業化とは農業・漁業・林業などの1次産業従事者が、生産だけでなく、加工の2次産業、販売の3次産業を一気通貫で行う取り組みのことです。

生産物の付加価値を高め、収益性の向上や安定した事業運営を目的として行われており、農業の新しいビジネスモデルとして注目されています。

これからの農業ではただ生産するだけでなく、消費者が求めているモノを栽培するマーケットインの思考が必要です。

いち早く6次化に参入した法人が、成果を上げています。(参考:6次産業化とは?実際にやってみた事例を踏まえて解説

収穫ロボット

AGRISTの自動収穫ロボット

AGRISTではピーマンの自動収穫ロボットを使った営農にチャレンジしています。

人手不足を解消するロボットとして使用するのはもちろんですが、ロボットが収集するデータを使った営農が可能となりました。

人の経験や勘に頼らずに、データ(根拠)に基づいた営農が可能で、再現性や均一性の高い農業の実現に寄与します。

自動収穫ロボットを導入することによって、

  • 収穫作業の軽減
  • データ農業の実現
  • 農家のオペレーションの改善
  • 収量予測

など、色々なメリットがあると考えています。

昨年2022年度からAGRISTが農業に参入し実証実験を行っており、新しい農業を創造中です。

栽培方法

AGRISTの養液栽培の様子

養液栽培は土に植えずに、写真のようにヤシガラの上にポッドをそのまま置き、そこからヤシガラに根を這わせ栽培する方法です。

写真のように、一つ一つの苗にチューブが刺さっており、そこから水と養分を与えます。

養液栽培のメリットとしては、

  • 土壌特有の病害や連作障害を回避できる
  • 省力化(潅水や施肥、除草など)
  • 作業環境や衛生環境の向上
  • 収量が上がり、均一性が高い
  • データ営農の実現

基本的に省力化、自動化の手法として取り入れられており、次世代の営農方法として注目されています。

また、土の中に植えてしまうと、「何の栄養分を」「いつ吸収したか」などの変数が増えてしまい、栽培のコントロールが難しくなってしまいます。

養液栽培では水と栄養のコントロールが可能なので、アウトプット(収穫)から逆算しての栽培が可能です。

一方で、

  • 初期投資のコストがかかってしまう
  • 栽培技術の習得が難しい

などがデメリットとして挙げられます。

土耕栽培も養液栽培も一長一短あるのですが、生産性が高く省力化を目指す上では、養液栽培が主流になる日も近いような気がします。

植物工場

Panasonicの植物工場

引用:Panasonic HP

新しい農業の代名詞と言われている植物工場は、その名の通り工場の中で農作物を栽培する営農方法です。光・水・温度・栄養などの要素をコントロールすることができ、作物の生育環境を最適化することができます。

メリットとしては、

  • 衛生状態が極めて高く、病害虫の心配がない
  • 環境制御の精度が高く、栽培のコントロールが可能(安定供給)
  • 収量が安定し、長期的な経営目標が立てられる
  • 単位当たりの収量が高い

などが挙げられます。

しかしながら初期投資がかなりかかってしまい、なかなか参入できないのが実情です。さらに植物工場では照明や冷却、換気装置などを稼働させるため、高い電力消費が発生します。昨今の電力料金の高騰も相まって、黒字化が難しくなっています。

以上が、新しい農業についてのご紹介でした。

AGRISTでは、農業参入を検討している企業向けのコンサルティングや、収穫ロボットを使用した次世代農業の提案を行っております。

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