農福連携とは、農業と福祉が連携し障がい者・高齢者・生活困窮者の就労や社会参画の支援をする取り組みのことです。
2016年に政府が定めた「ニッポン一億総活躍プラン」の中で農福連携推進が提唱され、国・自治体・法人が取り組みを始めました。
今回は農業ベンチャーのアグリストが農福連携について解説し、実際にどのようなことを実践しているかご紹介します。
農福連携とは何か?
農林水産省の定義によると、
農福連携とは、障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組です。
農福連携に取り組むことで、障害者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながる可能性もあります。
このように記載されています。
障がい者の雇用については、障害者雇用促進法により義務付けられており、2021年には障害者雇用率が2.3%と決められています。
43.5人以上の従業員を雇用している企業が対象となり、法定雇用率を下回ると、納付金、行政指導、企業名の公表など強いペナルティが課せられています。
障がいに対する社会的な理解が広がり法整備も進められ、現在では多くの企業が障がい者雇用に乗り出しているのが実情です。
農業分野の課題解決
その中で、農業の人手不足と働きたい障がい者のマッチングを目指し、農福連携が行われています。
農業分野においては、農業従事者の平均年齢が67歳となっており高齢化が問題となっています。
耕作放棄地も年々増えており、高知県程の面積が耕作放棄地となっています。
また、1997年からの10年間で農業従事者が414万人から182万人と半分以下になり日本の大きな社会問題となっています。
このような問題を解決する為に、農福連携が重要と言われています。
働く意欲のある障がい者と働き手を探している農家のマッチングを行い、農業分野で活躍することを通じて、自信や生きがいを持って社会参画を実現しようという取り組みです。
農業には章句物や土に触れることによる精神的な安定が見込まれると言われており、双方にメリットがある取り組みと言われています。
農福連携の事例紹介
合同会社竹内農園
北海道にあるこちらの農園は、敢えて大掛かりな機械化を行わずに10名程度の精神・知的障害を持つ方を就労者として受け入れています。
手作業を中心に行うことで危険な作業や難しい作業を無くしています。
また、多品目の野菜を通年栽培することにより継続的に雇用を創出している工夫もされています。
平成30年8月には天皇皇后両陛下が訪問し、素晴らしい取り組みを視察されました。
社会福祉法人E.G.F のんきな農場阿武事業所
山口県にあるこちらの法人は、知的・精神・発達などの障がい者を雇用し、冷凍ボイルカット野菜の製造を行っています。
実際に障がい者が就農して作った野菜を製品化まで一気通貫で行っており、山口県内ほぼすべての小・中学校で使用されています。
また、農家が従来捨てていた規格外の農作物やB級品と言われる作物を買い取り、加工していることから農家とWin-Winの関係を構築し急成長している法人です。
農福連携の成功事例として素晴らしいモデルケースになっています。
アグリストの農福連携の取り組み
現在アグリストでは、ピーマンの自動収穫ロボットを開発しています。
ロボットはAIでピーマンを認識し自動で収穫を行いますが、遠隔操作で障がい者が操作できないか検討しています。
障がい者が遠隔操作することにより、収穫スピードが上がるメリットだけでなく、全国どこにいても仕事ができるので障がい者雇用の創出が可能になります。
アグリストの使命として農福連携を実現させ社会問題を解決したいと考えています。
ご意見ご要望はこちらよりお願いします。