人とコミュニケーションをとれるAIペットや、人を軽々と抱きかかえる介護ロボットなど、人工知能を搭載したロボットは、私たちの身近な存在となってきました。
しかし、具体的に人工知能搭載ロボットに何ができるのか、導入することでどんなメリットがあるのか悩まれている方もいるでしょう。
そこで、この記事では、ロボットに人工知能を組み込むことで、どんな良いことが起こるのか、具体的な活用例と共にご紹介します。
「人工知能は私たちの仕事を奪う」と批判されがちですが、人工知能を組み込んだロボットが私たちの助けとなってくれることをご理解いただけるはずです。
人工知能搭載ロボットに興味がある、またはロボット開発に従事してみたい方の参考になれば幸いです。
ロボットと人工知能を組み合わせるメリット
作業効率化
現在、多くの工場では単純なライン作業を人の手で行っていますが、人間にはミスが付きものです。
特に、長時間労働となる製造業のライン作業を人間が行うと、集中力の低下により単純なミスが発生します。
新人の作業スピードが追いつかず、スムーズに業務が進められないことも多いです。
人工知能を活用したロボットは長時間稼働しても、ほとんどミスなく業務を行うため、一定のスピードで正確に作業を継続できます。
業務負担削減
コールセンターにおける一次受付といった業務を請け負う従業員の多くは、単純作業に時間を奪われるため、経験や思考を必要とする仕事に集中できないのが現状です。
人工知能を搭載したロボットを導入すれば、単純作業をロボットが担うことで業務負担が削減し、従業員はより高度な仕事に集中できます。
例えば、コールセンターでは、人工知能がお客様の声を聞き取り、オペレーターに最適な返答内容を提示します。
オペレーターはより迅速にお客様へ回答できるようになり、他の業務に費やす時間を確保できるのがメリットです。
人手不足の解消
日本は少子高齢化により、慢性的な労働者不足に陥っています。
ロボットは人間とは異なり、メンテナンス以外には休息は必要なく、働き続けられます。人間が休んでいる間にも作業を継続できるため、人手不足の解消につながることは間違いありません。
人工知能を導入したロボットの活用例
農業用ロボット
農業分野における高齢化が加速しており、重たい作業道具の運搬やかがんで農作物を収穫する作業に、多くの労働者が負担を感じています。
そこで、リンゴやトマトなどの果実を収穫する人工知能を導入したロボットの導入が進んでいます。
ロボットは画像認識により果実の熟度を判別し、収穫時期にある果実のみ収穫作業を行う仕組みです。
さらに自動運転車が収穫ロボットと果実を積んだコンテナを運搬するため、農業従事者の負担軽減に役立ちます。
なお、自動野菜収穫ロボットは、第9回ロボット大賞にて農林水産大臣賞にも輝いており、農業ロボットの普及に大きな技術革新を与えるものであると高く評価されています。
介護用ロボット
7割の介護職員が腰痛を抱えている介護現場。介護従事者の業務の一部をロボットが担うことで、業務負担を削減できます。例えば、物体検知能力を持つ見回りロボットは、介護施設内をパトロールし、転倒した入居者を発見した場合、職員へ通報します。
人の顔を認識して、入居者と出会うと「おはようございます」といった挨拶を交わし、コミュニケーションをとるロボットの活躍も期待されています。
経済産業省によるロボット等介護・福祉用具開発プロジェクトでも、ロボット等介護・福祉用具の開発支援が行われるほど、介護分野における支援ロボットの需要が高まっています。
医療用ロボット
日本では、画像診断支援、医薬品開発、手術支援、ゲノム医療、診断・治療支援、介護・認知症の6領域において、人工知能を組み込んだロボットの開発を加速する方針です。
手術支援ロボットは、医師の手先の動きに合わせてロボットアームが動作し、遠隔操作で手術を行います。離れた場所からでも熟練の医師による手術が受けられるのがメリットです。
また、調剤薬局において、薬の配合ミスや取違いは人の命にかかります。自動調剤ロボットは薬の取り出しや加工作業を行います。ロボットが正確に作業することで、ミスを大幅に削減できます。
建設用ロボット
建設業においてもロボットの導入が進んでいます。特に、危険な高所や狭くて人が入れない場所などでの作業をロボットが代替しています。
すでに国内では、ホテルの建設現場に「耐火被覆吹付ロボット」が導入されており、作業に必要な職人が3人から2人に減らせました。「耐火被覆吹付ロボット」は、吹き付ける壁や天井の高さ・距離を入力すれば、自動的に作業を行います。壁や天井など対象物によって自動的に吹き付け方法をロボットが調整できるのが特徴です。
また、木材や壁に貼るボードなど、重い材料を運搬するロボットが、建設現場で活躍しています。例えば、ユーザーがタブレット端末で目的地を設定すると、画像認識機能により障害物を避けながら自動的にロボットが走行します。
従来のように人が台車を用いて運搬する労力が省けるため、より安全・迅速に業務を終わらせられるのがメリットです。
農業分野のロボット開発ならAGRIST
ロボットの導入による自動化・省人化
経済産業省の調査によると、15.6%の企業が人手不足の解消のために今後、「自動機やロボットの導入による自動化・省人化を目指したい。」と回答しています。
そのため、ますます人工知能搭載ロボットを開発できるロボットエンジニアの需要が高まってくるでしょう。
農業の課題を解決に導くロボット
農業分野においては深刻な人手不足という課題を抱えています。また、農業従事者の経験と勘に頼る作業も多く、新規従事者の育成にも時間がかかります。
これら農業が抱える課題を解決できるのが、人工知能搭載ロボットです。
農家の悩みに寄り添ったロボット開発
AGRISTでは、農家と協力して人工知能を搭載した自動収穫ロボットの開発を進めています。
2017年から農家の方と勉強会を開催し、現役で働く農業従事者からロボットの必要性をヒアリングしています。
農業分野におけるロボット開発にご興味があるなら、農家に寄り添った人工知能ロボットを開発しているAGRISTで一緒に働きませんか。
労働者の助けとなる人工知能搭載ロボット
人工知能を組み込んだロボット開発は、農業分野、医療分野など多くの場面で労働者の助けとなります。
近年、少子高齢化により慢性的な労働者不足に陥っていますが、人工知能搭載ロボットの活躍により、労働者の業務負担は削減し、より効率的に仕事を進められるようになるでしょう。
AGRISTでは、特に労働者不足が深刻な農業分野の課題を解決するため、日々、農家と協力して人工知能を組み込んだロボットの開発に努めています。
農業従事者の笑顔のため、一緒にロボットの開発研究を進めていきましょう。