世界が抱える“食のジレンマ”──飢餓と食品ロスの驚くべき実態
世界では今もなお、年間7億人以上もの人々が飢餓に苦しむ一方で、信じられないほどの量の食料が、私たちの手元に届く前に、あるいは食卓から年間13億トンも廃棄されています。これは、世界で生産される食料の実に3分の1に相当する量です。また、日本では、年間約612万トンもの食料が廃棄されていると推計されており(2017年度)、これは毎日、お茶碗一杯分のご飯に相当する量が捨てられている計算になります*。
この2つの矛盾した現実こそが、私たちAGRISTが向き合おうとしている食料課題の本質です。

“もったいない”をチャンスに変える!食のバリューチェーンに潜む課題とは
生産・加工・流通・消費といった各段階で食料は失われています。グローバル化が進み、消費者のニーズが多様化する現代において、従来のサプライチェーン管理だけでは、さまざまな課題に対応しきれていません。
そこで、サプライチェーン全体をスマートに連携させることで、持続可能な運営を実現し、「もったいない」を減らすとともに、飢餓の解決に向けた第一歩を踏み出すことができます。
重要なのは、「必要な人に、必要な時に、必要な量を、最適な状態で届ける」仕組みを確立することです。そのためには、生産から消費までのバリューチェーン全体を最適化し、食料供給の効率化と公平な分配を図ることが不可欠です。

AGRISTが挑む、FaaSで変えるバリューチェーンの未来
そこで私たちが注目し、その可能性に未来を見出しているのが、近年農業分野でも注目を集める「FaaS(Farm as a Service)」という革新的なコンセプトです。例えば必要な農機具や技術を、必要な時に必要な分だけ利用できるこの仕組みは、初期投資の負担を軽減し、柔軟な経営を可能にします。これは、資金力のない小規模農家や、新たな挑戦を志す新規就農者にとって、大きな後押しとなるでしょう。
FaaSで生産だけでなく、加工、流通、消費といったバリューチェーン全体に拡張することで、食料はより効率的に、そして必要とする人々の元へ届けられるはずです。
AGRISTは、この喫緊の課題に対する高い課題解決への意識と、それを解決するための確かな技術力をもってFaaSの開発を行っています。まずは日本国内で、農業を起点としたFaaSの成功モデルを確立し、それを世界が抱える食料問題の解決に貢献していくことを目指しています。
「もったいない」を価値に変えるFaaSの可能性を徹底的に追求することで、飢餓のない、真に持続可能な食の未来を築けると信じています。

以上が、AGRISTのバリューチェーン構想についての解説記事でした。
AGRISTでは、農業参入を検討している企業向けのコンサルティングや、収穫ロボットを使用した次世代農業の提案を行っております。
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参考
7億人*WFP https://ja.wfp.org/news/SOFI2024_report、データ参照 https://www.fao.org/faostat/en/#data/FS
年間13億トン*農林水産省https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2010/spe1_01.html