自動収穫機による取得データに基づく農業収支最大化に関する大規模実証に向けて収穫ロボットから収集したデータをAIで解析し、出荷予測や需要予測、農場管理の最適化などを目指します
AIを活用したデータ農業を推進するAGRIST株式会社(本社:宮崎県新富町、以下、AGRIST)は、農林水産省が実施する「中小企業イノベーション創出推進事業」において、農業分野のうち「農作業の自動化・効率化のための革新的スマート農業技術・サービスの開発・実証」をテーマに12月28日(木)付けで採択されたことをお知らせします。
本事業では、自動収穫機による取得データに基づく農業収支最大化に関する大規模実証に向けてハウスを建設ハウスを建設します。そして、収穫ロボットが収集したデータをAIで解析し、出荷予測や需要予測、農場管理など、サプライチェーン全体の最適化をAIプラットフォームの開発により目指します。
背景
弊社は2019年の創業以来、ピーマンおよびきゅうりの自動収穫ロボットの開発に取り組んでいます。
2023年9月にキュウリ収穫ロボットを導入した関東の農場では、1ヶ月間で平均40%以上の収穫率を達成しました。時給換算するとひと月あたり1人分の収獲能力があります。
また、宮崎県新富町の自社農場では収集したデータを解析しながら栽培管理したことで、2022年8月~翌年6月の作では、ピーマンの平均反収の約1.4倍となる17.4トンの収量を達成しました。
この開発過程で、収穫作業を効率化できたとしても、天候などの影響で収穫量が容易に20%~30%変動し、市場価格が半分にも倍にもなる状況を経験しました。
このため、市場価格予測に基づいて収穫時期を調整するためのアルゴリズムを開発することを目指して、収穫ロボットにセンサーやカメラを装着し、様々なデータ収集を行ってきました。
AI農業プラットフォームでサプライチェーン全体を最適化
収穫ロボットにカメラやセンサを搭載することで、環境データや生育データを農場全体から精緻に取得することが可能です。このデータをAIで解析することで、作物の生育状態を正確に把握し、精度の高い収量予測を実現します。また、天候や市況データなど外部データと連携することで需給を予測し、これに合わせて栽培環境をコントロールすることで、収益の最大化を目指します。
さらに、物流や販売とデータ連携することで、栽培管理だけでなくサプライチェーン全体の最適化を実現するAI農業プラットフォームを構築します。
中小企業イノベーション創出推進事業について
SBIR(Small/Startup Business Innovation Research)制度を活用して、革新的な研究開発を行うスタートアップ等が社会実装につなげるための大規模技術実証(フェーズ3)を実施することで、我が国におけるスタートアップ等の有する先端技術の社会実装の促進を図ることを目的とする事業です。
採用について
AGRISTでは今回のSBIR事業への採択に伴い、AI農業プラットフォーム「AGRIST AI」の構築を行うエンジニアと、次世代農場の栽培および農業技術の研究開発を行う農場スタッフの採用を強化しています。
【募集職種】
エンジニア
・Webアプリエンジニア
・Iotエンジニア
・データサイエンティスト
・スマホアプリエンジニア
※勤務地は茨城県つくば市のつくばオフィスで、一部リモートワークも相談可能です。
農場管理
・栽培技術研究者(農学博士号保有者など植物生理に知見を持つ方)
・栽培管理者
・設備管理者
・農作物販売、販路拡大
ご興味のある方はこちらよりお問い合わせください。
■参考プレス
・【初導入】現場でのキュウリ収穫ロボット稼働にエンジニア手ごたえ
・約1000キロ先の農場と鹿児島市幼稚園をつないでキュウリの遠隔収穫体験実施
・AGRIST、Azure OpenAI Service を使用したLINE版農業アシスタント「あぐりすたんと」を無料提供開始
■AGRIST株式会社について
AGRISTはテクノロジーで農業課題を解決するスタートアップ企業です。
現在日本の農家の平均年齢は68歳となり2030年には農業従事者が半減するとされ、国内における人手不足による農業課題解決ニーズは高まっています。AGRISTは、それらの農業課題をテクノロジーを活用した次世代農業を実現することで解決し、世界の食料問題の解決、全人類のウェルビーイングに貢献していきます。