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「見えない障がい」を越え、誰もが輝く社会へ:青葉仁会が切り拓く農福連携の未来

2025年07月30日 インタビュー

「見えない障がい」を越え、誰もが輝く社会へ:青葉仁会が切り拓く農福連携の未来

1980年に設立された青葉仁会(あおはにかい)は、知的・身体障がい者の支援施設を拡充していきました。設立から、株式会社モンベルとの提携(1991年~)や地域連携を深め、飲食店や農園、石鹸や、木工、菓子などの工房を展開してきました。地域貢献と多様な就労支援を通じ、誰もが活躍できる社会を目指し、30年以上にわたり進化を続けています。

今回は榊原理事長、山本氏、樽井氏、株式会社グルメ杵屋の河上氏に「虹の絵の具」にて、インタビューを行いました。

第1部:制度

農福連携と障がい者雇用の現状課題

厚生労働省は、就労選択支援事業を必須化しようとしていますが、その制度を作る前に、障がい者受け入れ環境整備を促すことが何よりも重要だと感じています。

適切な配慮や環境整備が行き届いていない現場に障がい者を雇用することは、不適切な支援につながる深刻な問題を引き起こす可能性があります。知的障がいのある方が不適切な行為の対象となったり、金銭を搾取されたりすることが横行しているところもあります。このような環境が整わないまま「働け」というのは本末転倒であり、障がいのある方が一般就労できない根本的な理由でもあります。

障がいと「見えない障がい」への理解、そして自身の経験から得た視点

身体障がいのある方には義足などの補装具が進化しており、失われた機能を補うことで就労が可能です。精神障がいのある方の場合、適切な投薬管理があればパニックを起こすことなく安定した就労が見込めます。知的障がいのある方には、構造化された環境整備が重要であり、これもまた機能を補うことにつながります。

障がいのある方それぞれが抱える「生きづらさ」は異なります。「なぜ生きづらいのか」を当事者の視点で理解し、その人に寄り添う支援がなければ、真の解決にはつながりません。

たとえば、障がいのある方々が仕事でお金を得たとしても、そのお金を「何のために使うのか」という明確な意味や目的を持てなければ、働くことへの意欲は続きにくいでしょう。

もし「お金とチョコレート、どちらが欲しい?」と尋ねたら、「チョコレート」と答える方が多いかもしれません。しかし、「お金を使えば、もっと多くのチョコレートが買える」「こんなチョコレートが欲しい」「チョコレートが好き」といった具体的な「消費したいもの」をまず持つことが、その人にとっての変化や成長につながります。この変化こそが、その人がより多くのこと、より高いレベルの仕事に取り組めるようになるための原動力となり、本来秘められた多くの可能性を引き出すことにもつながっていくのです。

仕事だけでなく、休憩の過ごし方、お金の使い道、余暇の過ごし方といった「自己実現」の部分こそが、その人にとって最も重要な要素だと私たちは考えています。

私自身も、一時的に身体の自由が利かなくなった経験があります。その時、その時、痛感したのは「できないことは、どんなに頑張ってもできない」という事実です。「頑張りましょう」という言葉だけでは、どうすることもできない状況があることを、身をもって知りました。

だからこそ、支援においては、その人の内面を深く理解し、常にその人の立場に寄り添うことが不可欠だと考えています。障がいのある方々が世界をどのように捉えているのか、正面から向き合うだけでなく、内面からその人に寄り添い、その人の視点から世界を共に見て初めて、つまずきの原因や何が本当に必要な支援なのかが見えてくるのです。

まとめ

青葉仁会様の素晴らしい取り組みは、私たちAGRISTが目指す「持続可能」や「共創」といったキーワードに深く共鳴します。特に、障がいのある方の「見えない障がい」への理解や、自己実現を重視した支援の必要性について、AGRISTの取り組みの中で非常に感銘を受け、深く共感いたしました。

AGRISTは、テクノロジーの力で農業分野における人手不足の解消と生産性向上を目指すと同時に、ロボットと人が共存する新しい働き方を追求しています。障がいの有無に関わらず、それぞれの個性や能力を最大限に活かせる環境を創造することで、多様な人材が農業分野で活躍できる未来を共に築いてまいります。

 

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