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異なる分野の人々とつながり、新たな価値を生み出す

2024年08月21日 インタビュー

異なる分野の人々とつながり、新たな価値を生み出す

「ONE SUMMIT 2024 in 宮崎」は、農業、林業、水産業など、第一次産業に関わる多様なステークホルダーが一同に集まり、活発な議論を繰り広げた画期的なイベントでした。

このサミットは、単なるイベントにとどまらず、農業の未来を創るための重要な一歩となりました。今後は、この成功を足掛かりに、より多くの地域で同様の取り組みが広がり、日本の農業が大きく変わっていくことが期待されます。

POINT

  • 異なる分野の人々とつながり、新たな価値を生み出す
  • 固定観念にとらわれず、多様な意見を受け入れる
  • 行動を起こし、社会に貢献する

このまとめは、齋藤さんのインタビューを基に、イベントの意義、成功の要因、そして今後の展望を簡潔にまとめたものです。全2編に分けて掲載しています。

起業家という立場にいると、いろいろなことを言われます。例えば、「イベントに出るのが好きだ」や「もう事業に飽きている」、など。でも、そんな声の一つひとつに振り回されないようにしています。なぜなら、僕のことをよく知らない人からの意見は、僕自身を本当によく見たうえでの評価ではなく、言っている本人の経験や価値観から「きっと齋藤はこうにちがいない」とバイアスがかかっての見え方だと思うからです。

一方で、僕をよく知る親しい人からのイメージに驚くこともあります。

僕は身長180cm、筋肉質な体型でガタイも良く、起業家としての経験も20年積み重ねてきました。それなりに迫力が身についてもいいのかなと思うのですが、各地で出会う農業関係者の方からはかなりの確率で「潤ちゃん」と呼ばれるんです。

自分の求める理想と現状のギャップに苦しみながらも、必死に前に進もうと行動してきたストイックな男。それが僕のセルフイメージです。だから正直「ちゃん」付けがまったくしっくりこなくて…(笑)、セルフイメージとの乖離にたびたび驚いています。

――潤一さんは朗らかでオープンですし、親しみのある雰囲気をお持ちだからじゃないでしょうか。無自覚かもしれませんが、お顔から「潤ちゃんって呼んで」って出ていますよ(笑)。

顔か! 全部顔に出るって言いますもんね。この顔ともう45年付き合っているので、自分ではよくわからないのですが(笑)

ただ、先輩方にかわいがっていただけることは本当にありがたく思っています。例えば、町長や市長の方と仕事で関わる機会が多いのですが、親しみをもって接していただき、信頼してもらえているからこそ任せてもらえる仕事は多いのではないかという自負があります。

ギブしてもらったらギブの100乗で返したい

――年上の方々と接する上で意識していることはありますか?

年上の方に限らず、「ギブアンドギブ」の精神でいることは意識しています。人当たりが良くても受け取るだけ、いわゆるテイカーな方が意外と多いなと思うんです。ギブしてもらったらギブの100乗で返していきたいですね。

それは「ギブアンドギブ」していくことで世の中が加速前進していくと信じているからです。それに、いわゆる返報性の法則というのもありますね。良い行いも悪い行いも、結局は自分に返ってくること。よく「ピンチの局面で、ホワイトナイト(白馬の騎士)が現れた」などと奇跡的な体験を語る起業家がいますが、おそらく昔まいた種が育って返ってきたのでしょう。

「ONE SUMMIT 2024 in 宮崎」でも、依頼して来てもらった50名のゲスト登壇者にはとにかく満足してもらおうと意識しました。ゲスト登壇者、参加者問わず混ざり合って、答えの無い問いに対してじっくりと向き合う時間は貴重なものになったはず。

その証拠に会場は大変な熱気に包まれていましたし、そこから新たな良い関係性を築くことができたという声を多く聞いています。実はこのインタビューの直前にも、あるご登壇者をご希望の場所までご案内し、空港までお見送りしてきたところです。

ゼロイチの段階を抜けた今、プロデューサーの役割が必要

――齋藤さんの経営者としてのコミュニケーション哲学と言えそうですね。関連して、組織での取り組みについても聞かせてください。御社では今後はどのような組織運営を考えていますか?

ゼロイチの段階を抜けた今、僕はそろそろ「プロデューサー」の役割が必要と考えています。そもそも僕はプロデューサー側のほうが得意なので、得意なことに専念するほうがいいんです。

例えば、立ち上げ期のゼロイチをつくるのが得意な人がいたら、それに専念するのもいいと思います。日本では「やりっ放し」や「最後までやり遂げろ」と言われがちですが、そのように非難することは日本のスタートアップ文化の弊害になっていると思います。むしろ行動する人をもっと称賛したほうがいいと思いますね。そうしたら「彼はゼロイチが得意だから、その次をフォローしよう」と助け合う文化が醸成されるかもしれません。

それに、伸びている会社には必ず社長の弱点を補うチームがありますよ。

日本では起業家や経営者に対して、聖人君主であることや品行方正さを過剰に求めすぎるように思います。でも、完璧な人間なんて世界中どこにもいません。

例えば、スティーブ・ジョブズ(アップル創業者)もイーロン・マスク(スペースX・テスラCEO)もトラビス・カラニック(Uber元CEO)も、恐ろしい数の訴訟を抱えていることで知られています。それでも、悪い評判が立ったからといって社会から追放されることはありません。それはイノベーションを起こして世の中をより良くした実績のほうが世界では評価されるからです。

ゼロイチの後は役割分担へ

得意なことに専念したほうがいいと言いましたが、創業3年目ぐらいまでは経営者は全部自分でやらないといけません。僕もこれまで表に立つ実践者と裏方のプロデューサーの役割、どちらも担ってきました。ただ、両方をやっていると客観的に物事を見ることができませんし、両方できたとしても器用貧乏になって突き抜けることもできません。

だからゼロイチの段階を抜けたら、役割分担をするべきです。僕は現在はまだどちらも関わっている状況ですが、人が増えてきて会社の規模も大きくなりつつある今、チームをつくって僕はプロデューサーに徹することが理想ですね。

――会社の時期によって自身の役割を変えていくということですね。とはいえ、役割分担をすることに難しさは感じませんか?

難しさはありますね。でも、同時にすごく簡単な気もしているんです。

AGRISTでは、「チャレンジしたい」と手を挙げる人に積極的に任せる方針なんです。任された本人が「ここまで任せてもらっていいの?」と驚くくらい、思い切って任せます。任せると、人はぐんぐんと成長します。次のステップへ進むために退職するメンバーもいますが、退職時に「こんなに伸ばしてもらえる会社はなかった」と感謝の言葉をくれたりするんですよ。

これからも、会社とともに僕たち自身も一歩ずつ成長していきたいです。僕たちの仲間となってくれる方も大歓迎です。一緒に良いチームをつくっていきましょう。お待ちしています!

インタビュー/宮本恵理子 構成/夏野稜子、宮本恵理子

     

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